皆さんは2019年ごろ話題になった「老後2000万円問題」を覚えているでしょうか?2000万円というワードのインパクトから、詳しくは知らなくても耳に残っている人は多いのではないでしょうか。
ですが、皆さん老後2000万円問題について正しく理解できていますか?そもそも1人で2000万円必要なの?夫婦の場合は?老後って具体的にいつからのことを指すの?などプロセスを飛ばして2000万円という数字にだけ目が行ってませんか?
今回は「老後2000万円問題」について振り返り、消えたとはどういうことか見ていきましょう。
◆老後2000万円問題とは?振り返り
これは2019年に金融庁が提出した金融審査会市場ワーキング・グループ報告書が発端となった問題です。その報告書によると高齢夫婦無職世帯の平均月収入が約21万円なのに対し、月平均支出は約26.5万円となっています。つまり、毎月約5.5万円、年間にすると66万円が不足しています。老後を30年間とすると約2000万円が不足することになってしまいます。これが「老後2000万円問題」の正体です。
※高齢夫婦無職世帯・・・夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯
◆老後2000万円問題は正しい?
じゃあ老後に向けて2000万円あれば絶対足りるのか、と思う人もいるかもしれませんがそんな単純な話でもありません。そもそも上記データはあくまで2017年の統計です。では今のデータはどうなっているのでしょう。
総務省の家計調査による、2023年の65歳以上の夫婦のみ無職世帯の家計収支データを見ると、実収入は244,580円、支出は382,497円で不足金額は約3万8千円です。これを老後30年として計算すると13,680,000円です。つまり2023年のデータで計算すると老後1368万円問題ともいえてしまうということです。
◆では老後に向けていくら貯めればいい?
結論を言ってしまうと老後に必要な金額は人によります。家族構成や生活水準によって月の支出も全然違います。大切なのは、平均のデータを鵜呑みにするのではなく、自分の家計を把握してそれに見合った老後資金を蓄えることです。ただ、今20代、30代の人にとって老後はまだ30年以上先のことです、その時に今と同じような額の年金や退職金が貰えるとも限りません。物価も今と同じとは行かないでしょう。想定以上の額が必要になる可能性も充分あります。今できるのはNISAやiDeCoなどの非課税制度を利用して少しでも多くの資産を貯めていくことです。
コメント